日本メディア:読者に代替的な報道は必要か?

欧州がロシアメディアへの対処をめぐる決議を採択した。ロシアに対する対処はダーイシュ(IS、ロシアでは活動が禁止されている組織)対策と同等とされている。国際ジャーナリスト連盟が即座にこれに反応。決議文の中の一連の条項が事実上、ロシアのメディアに対する検閲の提案に匹敵するとして非難を行った。

同連盟のフィリップ・レル総裁によれば、いわゆる「プロパガンダ」対策として検閲は適切ではない。そして投票で賛成票を投じたのが691議席のうち304人と全体の半数以下であったことも重要だ。大半は反対もしくは棄権だった。

決議の目標は欧州委員会とEU加盟国に対しロシアメディアに対する対抗プロパガンダ計画にさらなる予算をつけることだ。つまり、これが西側メディアの情報を正しく受け取ることを欧州市民に許さない唯一の原因だということだろうか。情報の客観性と視点の多様性に対し、西側読者はもはや権利を持たないのか。

ロシア政府付属財政大学政治学部長ゲヴォルグ・ミルザヤン氏がスプートニクに見解を語った。

「パラドックスのようだが、今回のことについては、感謝あるのみだ。ロシアのジャーナリズムの質の高さが認められたようなものだから。西側の政治家らが全世界に対しロシアメディアの信じがたい高効率をみとめたということだから、ほとんどロシアのジャーナリズムの第二の誕生だ。しかもロシアのメディアは西側メディアの何倍も予算が少ない。決議はロシアのメディアが西側の聴衆に認められたことの最大の証だ。もっとも決議でロシアのメディアがダーイシュと同等のものとされているのは明らかに野蛮なことだ。ついでに言えば、西側メディアはコンテンツの提供という観点からかつてほどプロフェッショナルではなくなっている。理由は、彼らがあまりに長い間競争の外に置かれていたことだ。だから事実を歪めて確実でない情報を提供しても構わないと思っているのだ。誰もが彼らを信じなければならないのだ。それが米国の選挙で十全に示された。欧州メディアも今日は同じ状況だ。だから西側社会はもはやしばしばこれを信じず、代替的な情報源を探すのだ。それを彼らはRTやスプートニクに見出すのだ」

EU決議の採択を機にスプートニクは日本のメディアにおける見解の多様性について先日日本から帰ってきた日本専門家のアンドレイ・フェシュン氏に意見を聞いた。ジャーナリストでなくても、職業的に日本に携わる国なら、しばしば日本のメディアをチェックしている。残念ながら日本のメディアは日露の深刻な政治問題についてきわめて限定的にしかロシアの専門家の見解を紹介していないという。

「日本はロシアの専門家の意見についてはロシアのメディアからは何もとってこない。それ自体がトップニュースになるような重大な声明なら話は別だが。よって日露関係の深刻な問題についてロシアの視点に関する日本社会の知識はきわめて限定的だ。しかも、意図的にそうしている。日本側は日本のメディアで報道される露日問題に対しては極めて選択的にアプローチしているのだ」

ところで日本のメディアは自由なのだろうか。世界のほとんどのメディアと同様、日本のメディアも広告に依存している。広告がなければあらゆる新聞が翌週には廃刊となる。そして日本では広告の分配は唯一の大企業、国および大企業の経営する電通の手に集中している、とアンドレイ・フェシュン氏。

「日本の主要メディア、5つの全国紙は、ほとんど同じタイプの記事を掲載している。スタイルは違うのかもしれないが、内容については同一だ。たしかによりリベラルなメディアはあるが、相違はあまりに小さい。既成勢力には変化が許容できないからだ」

いずれにせよ各国に国営メディアがあり、全世界の人々にとり対立する見解を知って自らの意見を形成する機会があることが重要だ。