女性がパイロットになるのは簡単か

 女性パイロットはロシアでは少数ながらも存在する。パイロットになるのは難しいのだろうか、もう「男の仕事」ではないのだろうか、フェミニズムとは関係あるのだろうか。

 コックピットの中で立つのは不慣れだから怖い。特に着陸時は。これがシミュレーションだとわかっていても。

 「どこに着陸するつもり?どこかの森の中にいるのに」

 「これはシェレメチエヴォ(モスクワ)」

 「日の入りか日の出にして。じゃなければ夜。夜のドバイにしよう」

   これは旅客機のコックピットを99%再現したシミュレーターで、カプセルの中に収まっている。例外的なのは、パイロット自身が飛行条件や窓の外の風景を設定できること。すべてがとてもリアルだ。着陸しようとすると、コックピットが前方に傾き、滑走路が勢いよく近づいてくる。操縦席の後ろにいる傍観者からは、恐怖ゆえの笑いが起こる。

 操縦桿をにぎっているのはエカテリーナ・テレプンさん。航空会社「アエロフロート」の若手女性パイロット。現在25歳。旅客機エアバスA320系の副操縦士である。重心、速度、座標と、無数のボタンやレバーを素早く操作する。テレプンさんは内気な感じのきゃしゃな若い女性で、制服を着ていると航空学生に見える。ロシアの大ヒット映画「フライト・クルー 大地と戦え(Ekipazh)」(日本公開2017年1月31日)に登場する女性副操縦士にも似ている。映画の中では「男の」仕事を選んだ女性副操縦士が、差別に耐える場面が何度もでてくる。

 「そうそう。『これって差別じゃない!』って思った。だけど映画の中の話であって、実際にはまったく違うから…」

 テレプンさんは、航空機の危険なシーンのある人気映画をあまり見なくなった。その代わりに、元エリート特殊機関員が人々を救うような映画を見る。

 「だけどアカデミー時代は『メーデー!航空機事故の真実と真相』をよく見てた。映画で学んだ。他の人のミスを見るのは興味深い」

 

https://jp.rbth.com/society/2017/02/10/699281