ロシア・NIS各国国民のユーラシア経済連合についての評価

 以前も取り上げたことがあると思うが、ユーラシア開発銀行というところが『ユーラシア開発銀行統合バロメーター』と題する報告書を毎年発行しており、こちらに見るとおり、最新版は2016年10月に発行された。これは、ロシア・NIS諸国のユーラシア統合に関する意識を継続的に調査しているものであり、ここではその中から、ロシア・NIS各国の国民が、ユーラシア経済連合についてどのように評価しているかを時系列的に跡付けたグラフを、上掲のとおりお目にかける。2012~2016年の数字がまとめられているが、以前はユーラシア経済連合非加盟国の調査結果も漏れなく載っていたものの、最近は非加盟国の数字はほぼ得られなくなってしまった。

 グラフの中で、上の5ヵ国は、実際にユーラシア経済連合に加盟している国々であり、同連合を肯定的に評価する国民が多い。ただし、アルメニアではユーラシア経済連合についての支持が趨勢的に後退している。一方、下の3ヵ国は、EUとの連合協定を結んだ国々であり、ウクライナ・ジョージアではユーラシア経済連合を否定的に評価する向きが増えている(2016年の数字はなし)。ただ、モルドバではいまだに肯定論が根強く、このあたりがロシアにとっての「付け入る余地」となっている。中段付近にあるタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンは、ユーラシアにもEUにも明確に接近していない国々である(政治文化や地理的要因から、EUへの接近といったことはそもそも考えにくいが)。このうち、タジキスタンはその外交ベクトルからして、ユーラシア経済連合加盟の予備軍と考えられる。ウズベキスタン、トルクメニスタンでは、国民の価値観からすればユーラシア経済連合に加わってもおかしくないが、政治指導部の意向により独歩的な外交路線を歩んでいる。アゼルバイジャンでは、ジョージアなど以上に、ユーラシア統合への反感が強い。


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